NISA(少額投資非課税制度)の基本

NISAは、日本の個人投資家を支援するために設けられた制度で、一定額までの投資による利益が非課税となる制度です。あくまで”制度”の名称であり、NISAという商品があるわけではありません。資産形成を促進するために、少額からの投資を奨励しています。

旧NISAは一定の期間と非課税枠が定められていましたが、新NISAでは投資枠の拡大と非課税期間の無期限化が特徴です。これにより、より長期的な資産形成を促進することが期待されています。

旧NISAの特徴

  1. 非課税枠:
    • 年間120万円までの投資に対して非課税。
  2. 非課税期間:
    • 購入した年から5年間。
    • 既に旧NISA枠で購入済の金融商品は、購入から5年以内に売却すれば、売却益が出ても非課税。ただし、そのまま持ち続けた場合は通常の課税枠(特定枠など)へ移行となり、売却益が出れば課税対象となる。
  3. 投資対象:
    • 株式、投資信託、ETF、REITなど、幅広い金融商品。
  4. 口座の開設:
    • 1人1口座まで開設可能で、証券会社や銀行で手続きが必要。
  5. 使い切りの非課税枠:
    • 年間の非課税枠を使い切らなかった場合、翌年に繰り越すことはできない。
  6. 利益の非課税:
    • 売却益や配当金が非課税となる。

新NISAの特徴(2024年からの制度)

  1. 非課税枠:
    • 年間360万円(成長投資枠120万円、積立投資枠240万円)までの投資に対して非課税。
  2. 非課税期間:
    • 非課税期間が無期限となる。
  3. 投資対象:
    • 旧NISA同様、株式、投資信託、ETF、REITなどが対象。ただし、積立投資枠では特に長期の積立投資に適した商品が中心。
  4. 口座の開設:
    • 旧NISAと同様に、1人1口座まで開設可能。金融機関で手続きが必要。
  5. 使い切りの非課税枠:
    • 非課税保有限度額1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)(総枠)は買付額で管理されるため、保有する上場株式等の値動きによる影響は受けません。
    • NISA口座で保有する上場株式等を売却した場合、その買付額分だけ非課税保有額が減少し、翌年以降、再利用が可能となります。
    • ただし、再利用する場合でも、年間非課税投資枠(年間最大360万円)を超えて投資することはできません。
  6. 利益の非課税:
    • 売却益や配当金が非課税。

メリット

  • 税制優遇: 売却益や配当金が非課税になるため、実質的な投資利益が増加します。
  • 少額からの投資: 初心者でも少額から投資を始めやすく、資産形成の第一歩として利用できます。
  • 多様な投資商品: 株式や投資信託など、さまざまな金融商品に投資できるため、自分のリスク許容度に合わせた運用が可能です。

デメリット

  • 非課税枠の制限: 年間の投資額に上限があるため、大きな投資を考えている場合には制約があります。
  • 運用リスク: 投資先の選定は自己責任となるため、運用成績が悪化するリスクがあります。
  • 口座開設の手続き: NISA口座を開設する際には、金融機関での手続きが必要です。

まとめ

NISAは、資産形成を促進するための優れた制度ですが、投資の基本を理解し、自分の投資目的やリスクに応じた運用を行うことが重要です。