金利上昇は心配ではあるけれど、やはり安い金利は魅力だし、そんな直ぐには上がらないでしょ。何年も上がってないし。
でも、上がり始めているというニュースも見るし、変動金利が不安の方も多いと思います。それでも日本の住宅ローンのうち変動金利を選んでいる人が7割以上。これから住宅ローンを組もうという人は、変動金利か固定金利か大きく悩んでいるのではないでしょうか。
住宅ローンは、日本で一番金利が低い部類の借金です。2024年12月でいえば、変動金利だと0.5%を下回る金利での貸し出しも多くあります。3000万円を35年で借りた場合の返済総額32,719,888円。月々77800円くらいですね。固定金利でも1.5%程度だったりします。この場合返済総額38,615,993円。月々91800円くらいです。
日本が経済破綻したら
さて、ここでは日本がこの先も先進国として経済国であるとします。つまり、日本が潰れるという状況にはならないとした場合を考えます。というのも、経済破綻してハイパーインフレになり、イタリアやギリシャ、ベネズエラのようになる事を少しでもあなたが考えるなら、変動金利の選択は有り得ず、固定金利一択だからです。それこそ数百%のハイパーインフレとなったら変動金利で借金中の人は絶対破綻します。逆に、固定金利の人は物価が何十倍になっても借金額は変わらない訳ですから大儲けです。物価が10倍になって給与額も10倍になったのに、借金額は変わらないと考えてみてください。天国ですね。
なので、お話にはならない訳です。
では日銀が思い浮かべている事を紐解いていきましょう。物価が2%上がっていく状況で、金利も2〜3%が望ましいと考えているようです。いまの政策金利は0.25%ですから、まだまだ上昇余地があるという事ですね。
単純に政策金利が0.25%の時に住宅ローン金利が0.5%ということは、政策金利が2%の時は2.5〜3%くらいが見込まれるでしょう。ちなみに2006年ごろの日本は、政策金利が1.75%でこの時の金利が3%くらいでした。
日銀の目標金利から考えれば、この辺りを目安に考えておくのがいいと思います。10〜20年後くらいには3%くらいまでなっているかも。当面、1%でも返せるように計算しておき、5年後には1.5%、10年後は2%、15年後は2.5%、20年後は3%、このくらいまで考えておいた上で、返済が可能な額を想定しておくことです。そして、実際の返済額と想定額の差額を投資信託などで積み立てて運用しておくことです。
繰上げ返済は得か損か
この時、投資信託等で運用していくのがキモと考えます。住宅ローンや借金は早く返した方がいいという考えがあります。繰上げ返済というものですね。借金は一円でも1日でも早く返しましょう!という言葉。確かに悪い借金はそうですが、住宅ローンは最初に書いたように日本で一番金利が低い部類の借金です。変動金利で0.5%です。これを1日も早く返す理由が、私にはわかりません。そっちはそっちで放っておいて、返そうと思った差額は3%とかで運用できれば、その方がお得です。3%というと、例えばソフトバンクの社債などがこのくらいですし、多くの投資信託などの目標もこの辺りです。
0.5%でお金を借りて3%で運用すると考えれば、2.5%の利益です。例えば3000万円を変動金利で借りて、想定返済は1.5%で計算しておけば、毎月15000円くらい積み立てていくことができるということです。では金利が上がったらこの投資運用はどうなるのか。物価が上がるということは企業の利益額も価値も増えるということで、投資信託は上がると考えられます。物価に連動して上昇するのでリスクヘッジになる訳ですね。
この様に常に実際の金利よりも高く想定しておく計算をして、変動金利を利用すればなんら不安を持つ必要はないですし、固定金利よりも変動金利を選ぶべきだと思います。
問題なのは現在の変動金利0.5%を返済できる上限額で計算して借入金額を算出してしまっている人です。0.25%金利が上昇しただけで右往左往。それでは日銀が政策金利を最低1%にはしたいと公言しているいまを乗り切ることはできないでしょうね。でも、このページを読んでいる人は、金利や金融に気を付けている人なので大丈夫でしょう!