契約者貸付制度は、主に生命保険や年金保険などの契約者が利用できる貸付制度で、保険契約の解約返戻金や積立金を担保にして、保険会社からお金を借りることができる仕組みです。保険契約を活用して資金調達ができる便利な制度ですが、リスクや条件をしっかりと理解した上で利用することが重要です。自分の状況や目的に応じて、慎重に判断しましょう。
特徴
- 担保としての保険契約:
- 保険契約の解約返戻金や積立金を担保にするため、担保があることから比較的借りやすいです。
- 低金利:
- 一般的に、銀行など他の融資に比べて金利が低め(2~3%程度)に設定されていることが多いです。
- 返済の柔軟性:
- 返済方法については、契約によって異なりますが、柔軟な返済計画を立てやすい場合があります。例えば、返済期間の定め(保険契約期間中)が無かったり、返済計画も「何日にいくら」のように決められてもいない場合が多いです。
- 利用目的の自由度:
- 借入金の使い道は自由で、生活費や医療費、教育資金など、さまざまな目的で利用できます。
- 審査が簡単:
- 保険契約が担保となるため、審査が比較的簡単で、融資がスムーズに行われることが多いです。審査がないとも言えるでしょう。また「貸付」と呼ばれますが、通常の借金や融資とは異なり、CIC、JICC、全国銀行協会などの信用情報センターに情報が載ることもありません。つまり、借入総額が年収の3分の1という総量規制に関係しませんし、他のローン審査(住宅ローン審査やマイカーローン審査など)に影響を及ぼさないということです。
利用方法
- 契約内容の確認:
- まず、自分の保険契約の解約返戻金や積立金がいくらあるのか、契約書や保険会社の窓口で確認します。
- 申請手続き:
- 契約者貸付制度を利用するために、保険会社に申し込みを行います。通常は所定の申請書に必要事項を記入します。
- 借入金の受け取り:
- 申請が承認されると、指定した口座に借入金が振り込まれます。
- 返済:
- 借入金の返済を行います。返済は通常、元本と利息を含めた金額を定期的に返済しますが、契約によって異なるため、事前に確認が必要です。多くの場合、「何日にいくら」のように決められてもいないので、逆に自分自身でしっかりと計画しないといけません。元本と利息を含めた金額が解約返戻金や積立金によって定められた額を超えた場合、契約が失効され戻ってくるはずだった解約返戻金や積立金が無くなってしまいかねません。
注意点
- 解約返戻金の減少:
- 貸付金が返済されない場合、保険契約の解約返戻金が減少することがあります。最悪の場合、契約が失効する可能性もあります。
- 金利の確認:
- 利用する際は、金利や手数料について十分に確認し、総返済額を把握することが重要です。
- 影響の理解:
- 借入金が保険契約に与える影響(例えば、死亡保険金の減少など)についても理解しておく必要があります。